東京と京都の展示でのこと

2022.04.18


photo by 成田舞


京都、月ノ座での生徒作品展をぶじに終えました。2008年に製本教室を始めてから今回は初めての試みである生徒たちによる作品展。ワークショップは1日限りで教えることも多く、その後教えたことをどのように活用してくれているのかはときどき作品を持ってきてくださる方もいるけれどあまり知ることはありません。でも今回は最初の授業で卒展について伝えていたため、それぞれが何を作ろうかと考えながら授業を受けていたのかなと感じました。どの作品も教室で学んだことを踏まえた上でそれぞれが表現したいものを本に仕立てていて、そこに至るまでの試行錯誤を経てそれぞれの本のかたちになっていたのがすばらしかったです。まだ他にも教えたいことはたくさんあるのでこれからも手を動かし続けてもらえたらなと思います。
今年も5月から全3回のクラスが始まります。詳細はこちらから。どうぞよろしくお願いします。


3月には東京で9年ぶりに個展をしました。生徒さんもたくさん来てくださり、授業でもこれまでに制作した本は見せているのですが、作品を初めて手にしてくださった方がほとんどだったのでなんだかくすぐったい気持ちでした。2008年から2010年にかけて依頼を受けて制作した特装の箱について書いた冊子『十冊の本と箱』はスイスの学校でのこと、製本についても書いたもの。在廊中にはお会いできなかったのですが、追加のお知らせをしたら注文くださった方がいました。そのうちのお二人はどちらも元書店員。お一人はわたしが大学生のときと製本家の方のところで手伝いをしているときに働いていたカフェのお客さんで近所の大型書店で働いていていつもランチどきに文庫本を読みながらゆっくり過ごされていてなんとなく話をするようになりました。今回はお会いすることは叶いませんでしたが、いまもこうして活動を気にしてくださっていること嬉しいです。もうお一方はCOW BOOKSで働いていた方。ananas pressの最初の本から扱っていただいていたので納品の際にときどきお会いしていました。『Sincerely yours,』が好きで、お客さまにそのときのお店のおすすめを聞かれると必ず激推ししてくださっていたと聞いてとても嬉しかったです。2008年に制作した本ですが、京都の展示の際もみなさんその造本のアイデアにも興味を持ってくださる方が多くて、こんなに長く愛される本になるなんてそのときは思いもしなかったです。『十冊の本と箱』もアンカットの冊子なので自分でページをつくる仕様、読み進める前に紙にじっくり触れ本を作るたのしみを味わえるとの感想をいただきました。サイトヲさんのデザインする本も手ざわりも含めてページをめくるたのしさを味わえる本が多くて、今回はそのヤレを使って制作したノートや箱をつくりました。手に取ってくださる方も改めて本づくりのたのしさを感じてもらえていたらよいなと思います。東京でのワークショップも予定しているのでまたお知らせしますね。


今日はしとしと雨模様、肌寒い一日です。
みなさんのお住まいの地域はいかがですか。
またお便りもらえると嬉しいです。

ありがとうございました!



四月十八日 月曜日(好文さんのラジオを聴きながら)





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